イスラーム神学の核心に迫る—信仰の構造を解き明かす
イスラーム神学の核心に迫る—信仰の構造を解き明かす
井筒俊彦の思想を紐解く
井筒俊彦の『イスラーム神学における信の構造』は、イスラーム思想史における重要な論争を意味論的視点から分析した名著です。本書は、7世紀末から18世紀にかけて展開された神学論争を詳細に追い、個人的・実存的な「信じること」がどのように理性のフィルターを通じて概念化されていったのかを解説しています。
1000年にわたる神学論争
本書では、ハワーリジュ派の「不信心者(カーフィル)」の概念や、ガザーリーによる「タクフィール(異端宣告)」の理論、さらには「重罪人(ファースィク)」の問題など、イスラーム神学の核心に迫るテーマが扱われています。これらの議論は、イスラーム思想の発展において極めて重要な役割を果たしました。
意味論的分析の手法
井筒俊彦は、イスラーム神学の議論を単なる歴史的記述にとどめず、意味論的手法を用いてその構造を鮮やかに描き出します。彼の分析は、信仰の本質を理解するための新たな視点を提供し、読者に深い洞察をもたらします。
イスラーム思想を深く理解するために
本書は、イスラーム神学に関心を持つ読者にとって必読の一冊です。信仰の構造を解き明かし、イスラーム思想の奥深さを探求するための貴重な資料となるでしょう。