三島由紀夫の異色作『三島由紀夫レター教室』—手紙で紡ぐ人間ドラマ

手紙だけで描かれる人間模様

『三島由紀夫レター教室』は、三島由紀夫が1966年から1967年にかけて週刊誌『女性自身』で連載した長編小説です。物語は登場人物たちの手紙のやり取りのみで構成されており、読者は彼らの心情や関係性の変化を手紙を通じて追体験することになります。

ユーモアと策略が交錯するストーリー

本作には、年齢も職業も異なる5人の男女が登場します。彼らは恋愛、嫉妬、陰謀、友情といった感情を手紙の中で表現し、時には策略を巡らせながら関係を築いていきます。特に、主人公の氷ママ子は、手紙を駆使して人間関係を操る策略家として描かれています。

三島由紀夫のエンターテイナーとしての才能

三島由紀夫といえば、『金閣寺』や『仮面の告白』などの硬派な純文学作品が有名ですが、本作では彼のエンターテイナーとしての側面が存分に発揮されています。洒脱な文体と巧妙な構成によって、読者は手紙のやり取りの中に引き込まれ、登場人物たちの心理戦を楽しむことができます。

現代にこそ読みたい一冊

メールやSNSが主流となった現代において、本作は改めて「手紙」というコミュニケーションの魅力を再認識させてくれる作品です。手紙だからこそ伝わる微妙なニュアンスや、言葉の選び方による駆け引きの妙を味わうことができるでしょう。

『三島由紀夫レター教室』は、単なる書簡文例集ではなく、人間関係の機微を巧みに描いた文学作品として、今なお新鮮な魅力を放っています。

ご注文後のキャンセル・返品は承れません。 発売日:1991年12月04日 商品ID:1679347 ジャンル:DOMESTICBOOKS フォーマット:Book 構成数:1 レーベル:筑摩書房 アーティスト:三島由紀夫 アーティストカナ:ミシマ・ユキオ タイトル:三島由紀夫レター教室 タイトルカナ:ミシマユキオレターキョウシツ